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【ケース別の解説付き】 国による「持続化給付金(中小企業200万円、個人事業主100万円)」の申請概要を公認会計士が読み込んでみた

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2020年4月27日、経済産業省(以下、経産省)より国による新型コロナウィルスに伴う中小企業及び個人事業主を対象とした経営支援を名目とした、持続化給付金の申請概要が公表されました。
その内容を読み込んでみましたので、こちらにて補足説明をしたいと思います。
今回公表された申請要領では、個人事業主が法人成りしたケースや2019年中に開業をした法人・個人事業主、売上の季節的変動があるケースなどが紹介されており、よりイメージがしやすい概要でした。

持続化給付金申請要領(中小事業者向け).pdf2.63 MBファイルダウンロード

持続化給付金申請要領(個人事業主向け).pdf2.37 MBファイルダウンロード

目次

  1. 申込日
  2. 申込方法
  3. 給付金額
  4. 給付対象の事業者
  5. 給付対象の条件(3要件あり)
  6. 給付金の計算方法
  7. 給付額の算定(ケース1:法人で12月決算 or 個人事業主で2019年以前から開業)
  8. 給付額の算定(ケース2:2019年の途中に開業された法人or個人事業主)
  9. 給付額の算定(ケース1、ケース2以外のケースも・・)
  10. 必要書類の準備

申込日

2020年5月1日(予定)

令和2年補正予算の成立の翌日となっており、現時点ではまだ確定情報はありません。

申込方法

オンラインによる申請窓口を設置予定となっています。

手順は以下になる様子です。
1.持続化給付金ホームページへアクセス(スマホもOK)
2.申請ボタンでメールアドレスを仮登録
3.返信メールを確認し、本登録へ(ID/パスワード確定)
4.ID/パスワードを入力し、基本情報等の登録
5.必要書類の添付(PDF、JPG、PNGのいずれか)
6.申請
7.通常2週間程度で入金完了

給付金額

法人は最大200万円、個人事業主は最大100万円になります。

給付対象の事業者

資本金10億円未満の中堅・中小法人、個人事業主が対象です。
医療法人やNPO法人も対象のため、給付対象となる可能性が非常に高いです。
ただし、以下の業務を行う方は対象外となります。
・風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する「性風俗関連特殊営業」、当該営業に係る「接客業務受託営業」を行う事業者
・政治団体
・宗教上の組織

給付対象の条件(3要件あり)

給付対象の事業者であることに加え、以下の3要件をいずれも満たしていることが必要になります。

(要件1)2019年以前から事業による事業収入を得ていること
(要件2)今後も事業を継続する意思があること
(要件3)事業収入が前年同月比で50%以上下落した月があること

事業収入が2019年以前から(2019年中の開業も含む)生じているケースで、前年同月比で50%以上の下落が生じている法人・個人事業主の方はぜひ一度検討をされることが良いかと思います。
今回の申請においては過去の確定申告書があれば申請が可能で、青色申告である必要はありません。白色申告の方も給付金の申請が可能となっています。但し、過去の確定申告がない方は必要書類が準備できたないため、確定申告自体をする必要があります。

事業収入の下落の状況の調べ方は?

ケース1:会計ソフトから出力
ご自身で帳簿を付けている方は、会計ソフトから「月次推移試算表」を2年分(2019年と2020年)を出力し、比較をしてみてください。
会計事務所へ依頼をされている方は、月次推移試算表の依頼が良いかと思います。

月次推移試算表(イメージ)

ケース2:売上台帳を作成してみる
2019年の会計帳簿はあるかと思いますが、2020年が作成していない!という方はご自身で売上台帳をエクセルで作成してみるのが良いかと思います。
売上台帳を作成する際は、エクセルに「日付、売上の内容、売上金額、累計金額」を記載して作成することが良いでしょう。
また、売上台帳に集計する金額は、レジデータなどでも代用可能です。
最終的な会計帳簿と一致する金額が理想的ですが、現状では多少の誤差はやむを得ないところかと思いますので、2019年の事業収入の集計ルールを確認し、その方法と同様の方法で売上金額を集計することが良いかと思います。

売上台帳

給付金の計算方法

原則、給付金の計算方法は次の方法になります。

給付額(上限あり(※1))
=直前事業年度(※2)の年間事業収入-対象月の月間事業収入×12

※1 法人200万円、個人事業主100万円
※2 法人の場合は決算期ごと、個人事業主は2019年1月~12月

ここでいう、事業収入はざっくりと「売上高」と考えてください。
概要を読む限り、税込み・税抜きに関する記載はありませんでした。しかし、詳細を読むと、「確定申告書上の売上高金額」との記載があり、その点から税込にて会計処理をされている方は税込金額で、税抜金額で会計処理をされている方は、税抜金額で判定する必要があるかと思います。
一般的には、税込金額で会計処理をしているケースが多いです。

給付額の算定(ケース1:法人で12月決算 or 個人事業主で2019年以前から開業)

月次推移試算表もしくは売上台帳から月次の売上高を比較してみましょう。
以下のようなイメージになります。

持続化給付金シュミレーション

計算STEPは3つに区分されています。
この区分を理解して、支給見込みの金額を算定されてみてください。

給付額の算定(ケース2:2019年の途中に開業された法人or個人事業主)

2019年1月から2019年12月までの間に開業された法人or個人事業主の方は、ケース1とはSTEP1の「事業収入が前年同月比で50%以上下落していることの確認」の方法が異なります。
確認方法は以下のようになります。

持続化給付金シュミレーション(創業1)
持続化給付金シュミレーション(創業2)

給付額の算定(ケース1、ケース2以外のケースも・・)

給付額の算定方法は、概要書をみると上記のケース1/ケース2以外にも以下のようなものが紹介されていました。


・収入に季節的変動があるケース
・合併を行ったケース(法人の場合のみ)
・法人成りをしたケース(個人事業主から法人化したケース)
・罹災の影響を受けたケース
・NPO法人や公益法人のケース(提出書類が異なるケース)

上記のケース以外の場合もあるかと思います。そのようなケースに関しては、予算成立後に開設されるコールセンターへのお電話、もしくは、中小企業金融・給付金相談窓口への相談(電話番号:0570-783-183(平日・休日9時~19時)にお電話をされてみることをオススメしています。

必要書類の準備

給付対象であることが判明した法人・個人事業主の方は以下の書類の準備をされてください。データでの提出になるため、保存時の拡張子は、PDF/JPG/PNGのいずれかになるようご注意ください。

中小企業の必要書類

必要書類(法人)

個人事業主の必要書類

必要書類(個人)

※必要書類がフォント小さいため、スプレットシートにて公開

持続化給付金の必要書類_20200427シート1 【中小法人】 区 分,提出書類,内 容 すべてのケースで 必要な書類,確定申告書類,・確定申告書別表1(1枚docs.google.com

概要をまとめてみて思うこと

新型コロナウィルスにより売上高が減少している事業者は非常に多いかと思います。東京都等の自治体で提供される感染拡大給付金は、自治体ごとによって支給ルールが異なり(例えば、東京都では自粛要請の事業者であることが大前提)、そのルールによっては売上高が前年同月比50%を下回っていても、給付金の需給が困難なケースが散見されます。その点、国による持続化給付金は幅広い方々が受けやすい給付金なのではないでしょうか。
但し、風営法に関する事業者が受給対象に含まれていない点など、一部の事業者が除外されている点は、ケアされるべきではないかと思いました。
また、個人事業主から法人成りをされた方(法人のケース)と、個人事業主で2019年中に開業された方の必要書類のハードルが非常に高いのではないかと感じました。

持続化給付金をもらったあとに考えるべきこと

まずは融資を検討しましょう
日本政策金融公庫や商工中金、信用保証協会を活用した融資制度が、さかんに紹介されています。持続化給付金だけではほとんどの企業や個人事業主の方が、今回の新型コロナウィルスによる売上減少をカバーしきれないかと思われます。そのため、事業を継続することを前提とするならば、金融機関からの融資を受けることを検討するべきでしょう。融資を受けたことがない方は、いろいろと不安かと思います。けれども、事業を継続するのであれば、今回の状況を考えると、融資を受けることはやむを得ないと思います。
融資を受けたにやるべきこと、
それは事業の拡大もしくは収益性の高い事業展開を進めることです。そのイメージを具現化するためにも、新型コロナウィルスによる影響が落ち着いた時にどのような事業展開をしていくのかを書き起こした「事業計画」の策定が必要になってくるかと思います。

弊社では、事業計画の策定から金融機関との付き合い方もご支援しています。興味のある方は、ぜひ一度、ホームページをご覧いただけましたらと思います。